10月14日  孤独の終わり

「ナルコティクスアノニマスで示された愛があるのに、自分が孤独だなどという言い訳は使えない」

Basic Test第二部個人の物語 P.262*

 アディクションとは孤独な病気だ。いろいろな人たちに囲まれていても、遅かれ早かれ、アディクションのために愛する家族たちとの間に亀裂が生じる。私たちの多くが追い詰められるようにしてナルコティクスアノニマスにやってきたのは、絶望的な孤独のためだった。

 だから、初めてNAの会場のドアを開けたときには、かなりの警戒心と疑いをもっていた。だがそんな私たちに、ハグや、微笑みや、「足を運び続けよう」という温かい言葉が投げかけられた。私たちがそんな歓迎を受けたのは、この何年もの間で初めてのことだった。ミーティングが終わると、メンバーのみんなは笑いながらおしゃべりをして会場を後にし、まだしゃべり足りないのか、近くのコーヒーショップに入って行った。こんなに愛情にあふれた人たちのなかに、果たして自分は加われるのだろうか。

 私たちは孤独というパターンを身につけていたため、その輪に加わるのは簡単なことではなかった。だが時間がたつにつれ、自分だけが「隔離」されているのではなく「みんなの一部」なのだという感覚が生まれた。やがて、会場に足を踏み入れただけで、居心地がよくなった。知り合いができ、自分も変わり始めた。

 NAは孤独を乗り越える方法を教えてくれる。最初はホームグループのなかで親しい仲間ができる。すると、仲間を作るのはそんなに難しくないことに気づいていく。自分のことを仲間たちと分かち合うとき、ここが自分の居場所なのだという感覚になれるのだ。

今日だけ:私は、NAでハイヤーパワーが与えてくれた友情に感謝している。そのおかげで、もう孤独ではないからだ。


* このページ数は、英語版ベーシックテキスト第5版の「個人の物語」からの引用である。