6月13日 充実した生き方

「プログラムは私たちの人生に奇跡を起こしてくれる。……自由な生き方を手にすることができる」

ベーシックテキスト P.16


 ある程度の回復期間が続いていれば、ミーティングで仲間がこんな文句を言っているのを耳にしたことがあるはずだ――自分にばかり役割が回ってくるし、ミーティングやスポンサーシップやサービスのために身動きが取れなくなった――。そういう文句を言っていたのは、ひょっとしたら、自分だったかもしれない。毎日の暮らしはすでに目いっぱいだ。仕事、家族や友人たち、ミーティング、NA活動、スポンサーシップ、ステップの実践……。「まったく時間が足りない!」とメンバーはぶつぶつ言う。「何しろ自分の時間を全部使ったうえに、みんなに頼まれたことまでやらなければならないのだから!」
 ミーティングでこういう話を聞くと、ほかの仲間たちから笑い声がそっともれるものだ。笑った仲間たちもきっと、同じことをぼやきたかったのだろう。そしてその笑いは、現在自分が手にすることのできた人生の奇跡に文句を言っていることに気づいた苦笑いなのだ。つい最近までは、このような類いの「問題」などとはいっさい無縁だった仲間がほとんどだ。あらゆるエネルギーはアディクションだけに使い果たしていたからだ。いまの私たちは、現実を生きているからこそ出合える問題や、あらゆる感情を感じられる充実した生き方を与えてもらったのだ。


今日だけ:私は、自分の人生そのものが奇跡であることを思い出してみよう。自分の忙しさを恨みに思うよりも、人生がそれほど充実していることに感謝しよう。