7月16日 自己肯定感

「心の奥底では、自分が能力不足で、人より劣っているのだという感覚をいつも抱えていた」

ベーシックテキスト P.42Basic Text第二部個人の物語 P.112


 多くの仲間が、これまで歩んできた道のどこかで、自分が能力不足で人より劣っているのだという強い感覚を身につけてきた。だから心のどこかで「おまえなんか、何の価値もないんだ!」といつも自分に叫び続けていた。そんな私たちなので、回復を始めたかなり早い時期から、自己肯定感の低さという特徴を認めることを学んでいる。自分のあらゆる問題は、劣等感によって生じたものだと考えている仲間がいるかもしれないからだ。
 自分が育った家庭環境のために自己肯定感が低くなったのか、人との付き合いのなかでそうなったのかはともかく、私たちはNAで、これまでとは違う生き方をするための道具の使い方を学んでいく。ぼろぼろになった自己肯定感は、サービスの役割を引き受けるだけでも、築かれることがある。また、生まれて初めて、「元気?」というだけの電話が仲間から入るようになって、自己肯定感が生まれることもある。仲間は私たちに電話してきたからといって、私たちに何かを求めるわけではない。ただ私たちの役に立とうとしているだけだ。
 次にスポンサーができる。スポンサーは、私たちは価値のある存在なのだと教えてくれ、私たちが自分を信じられるようになるまで、代わりに私たちを信じてくれる。スポンサーは12のステップを通して私たちを導きながら、自分で勝手に作り上げ、貶めてきた自分ではなく、真実の自分は何ものであるかを探る手助けをしてくれる。  自己肯定感の低さは一晩で消えるものではない。ときには本当の自分を知るまでに何年もかかることがある。だが、私たちと同じ気持ちを分かち合ってくれるNAの仲間の助けを受けながら12のステップに取り組むことで、人から尊敬され、そして何よりも自分で自分を尊敬できる人間へと成長していけるのだ。


今日だけ:私は自分のハイヤーパワーの愛情を受ける価値があるのだということを忘れないつもりだ。私は価値ある人間なのだから。